ECの売り上げがアップしていく中、物流コストのバランスを考慮することが必然的となっています。
物流コストと一言で言っても人材コスト、システム費用、送料、資材費など様々なコストが発生します。 そのなかでも毎月発生する「保管費用」に関しては常に意識していく必要があります。
- 「保管費用]と言われても請求書の内容だけではどのくらいの面積を使っているのかがわからない。
- 「棚」や「パレット」などの単位が記載されているがどのような状態で保管されているのかわからないので実際に倉庫を見てみないとイメージがつかない
「保管費用」に関してこのようなご質問を頂くことが多い為本記事では物流コストにおける「保管スペース」について解説していきます。
目次
- 保管の種類について
- 各保管のメリット・デメリット
- 適正な保管量について
- まとめ
保管の種類について
倉庫の保管方法には様々な単位があります。例を挙げると以下の通りです。
- 坪
- パレット
- 棚
- ハンガー
- トランク
- ケース
- カーゴテナー
今回は一般的な保管方法である坪、パレット、棚にフォーカスを当ててご説明していきます。
▼坪(ツボ)
一般的に良く耳にするのが「坪(面積)管理」というワード。
「占有している面積(坪)」が保管している在庫量によって価格が変動する管理形態です。
一番シンプルでイメージしやすい保管方法です。
1辺約1800㎜の正方形のスペースのことを1坪という定義があり、イメージしづらいという方は、おおよそ畳2畳分とお考えください。
在庫はそんなに保管していないのに坪数が多く請求されているのではないかといった疑問が生まれた場合作業スペースが含まれていることが多いので予め倉庫に確認しておきましょう。
▼パレット
パレットという単位は物流業務に携わっていないとあまり耳にしない単語かと思います。
簡単に説明すると、平たい板です。保管する際はこちらの板に商品を乗せて管理します。
種類もあり様々ですが、日本で一番使用されてる大きさが1辺1.1mの正方形の板です。素材もプラスチックだったり木材のものも存在します。
▼棚(ラック)
小物や様々な形態の商品を収納する際のビジネススケールの棚です。
実際にどの程度の大きさの商品が保管できるのか、倉庫によって基準が異なりますので気になる場合は問い合わせましょう。
各保管のメリット・デメリット
商品や運営方法によって適切な保管方法が異なる為多種にわたる保管方法が存在します。
ここからは各保管方法のメリット・デメリットを解説していきます
メリット
・坪(ツボ):スペースの中ではどんな商材でも保管ができます。
例えば自転車だったり機材だったり、壁で仕切られてない部屋のようなものとイメージしましょう。
・パレット:一番の特徴はリフトを使って簡単に移動(荷受、積み込み)が行える点です。
高さの基準は特に決まりは無い為、直接倉庫に確認を取りましょう。
商品のサイズが小さく、ダンボールで格納できる場合は保管費用を節約できる場合があります。
・棚(ラック):非稼働商品の管理に最適です。商品サイズによっては棚の方が坪保管より
保管費用を節約できる場合があります。
デメリット
・坪(ツボ):坪のスペースは商品を置くだけでは無く、作業スペースも含まれます。
保管費用は一般的に月の最大占有坪で計上されるため追加数量やタイミングを見計らって運用することが大切です。
・パレット:段ボールなどで縦積みできるものは保管可能ですが、縦積みできない計上の商品はパレットで管理ができません。
・棚(ラック):商品の種類が少なく、大量に在庫がある場合棚での管理は不向きです。
棚では、1段の縦横の制限があるに加え高さも限界があるため、積み重ねができません。
保管方法にはそれぞれの特徴がありますので、自社の商品はどういった保管が適切なのか予め検討しておくことで委託先の倉庫の選定に役立ちます。
適正な保管量について
保管方法別のメリット・デメリットを把握した後は保管する商品の数量を検討しましょう。
最適な保管数量はECサイトの売上や、生産数により変動していきます。
例えば、月に商品が5点売れるとします。10点商品を預けて残り5点になったら、元の数量になるよう追加します。この場合月に1回追加処理を行っていることになります。
この場合初期投入時に20点預けていた場合より2回も多く入庫を行っているため業務委託をしているにもかかわらずリソースを無駄に費やしてしまう可能性があります。
また、ここで一番重要なのは入庫作業にも費用が発生するということ。1回の入庫で荷受料、検品料、送料といった費用が掛かります。商品が少ないからと言って必ずしも物流コストが安くなるとは限りません。
中長期的に物流をお任せするなら、ECサイトの売り上げを考慮しながら数量を決めるのがポイントです。
まとめ
- 自社商品の特徴を把握し最適な保管方法を見つけましょう。
- 長い目で見てECサイトの売上をシュミレーションしたうえで、初期投入数量を検討しましょう。